※公開終了間近! イロモノなアタシ
泣くだけ泣いた後、到着したのは西東京のさいはてにある山だった。


その山道に車を停めて、外に連れ出される。


「寒い? 大丈夫? 」
「平気ですよ、普段は暑苦しいって言われる位だから」


鳴瀬さんは、後ろから抱きしめるとほおを合わせた。


「あったかいなー、確かに」
「えへへ」
「あのさ、好きだよ」


何度目の告白? 2度目? そうだ2度目。


ちゃんと答えなきゃ、自分の気持ちを。


「鳴瀬さん、あの、あたしデブでブスで就職も決まってないし、ゲイショーパブで嘘ついて働いてるし、お父さんはオカマでお母さんはオナベで……」
「だから? 」


だから? って、そんなあっけらかんと言われても。


もういいや、気にしてないんだもん、この人。


ブス専だし。


いいよ、もう言うよ。


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