※公開終了間近! イロモノなアタシ
目が覚めると、そこには警察官の姿があった。


「あんのー、大丈夫ですかー? 」


ウィンドーをコンコンと叩き、生きているかどうか確認される。


「は? 」


鳴瀬さんは眠ったままで、ピクリとも動かない。


周りは明るくて、朝なんだと分かった。


「いやー、ホラ、最近多いでしょ? 練炭とか」
「あ、すみません。でも大丈夫です、はい」


練炭自殺に間違えられたらしい、生きていると分かり、警察官は安心した顔になる。


こんな山道で車を停めて寝てたら、死んでると思われても仕方ない。


「鳴瀬さん、起きて! 」
「んー? 」


寝起きが悪いらしく、目をしきりにこすっている彼に代わり、あたしは運転席に座ると車を発進させた。
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