※公開終了間近! イロモノなアタシ
「ねえーこれはー? 」
「派手じゃないかな? 似合わないと思う」
「じゃあ、これー」
「うん、まあいいんじゃないかな」


反対側の特選エンゲージリングコーナーに居たのは、あの2人。


帽子とサングラスで変装してはいるけれど、鳴瀬さんだと分かる。


そして、その横にはピンクのワンピースに同じ色のジャケットを着た綾女。


キラキラした気持ちが、真っ黒な闇へと落ちて行く。

「浩さん、行きましょう」
「え? 」


腕をムリに引いたため、浩さんは思わずよろけた。


「大丈夫ですか? お客様! 」


店員さんが上げた声に、向こうに居た2人がこちらを見る。


「志穂ちゃん! 」
「志穂? 」


こんな時に、志穂なんて言わないで欲しい。
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