※公開終了間近! イロモノなアタシ
小箱を開けると、そこにはペアリングが入っていた。


「ごめん、6階の物は結婚指輪とかで。1階で買ったんだけど、どう? 」


まるでボルトみたいに角ばっている指輪、でも、あたしの太い指にはピッタリ。


「これは俺の」
「はめてあげる、指出して」
「うん」


何だ、あたしよりサイズ小さいし。


これじゃ逆だよ、店員さん笑ってただろうな。


どこからどう見ても華奢な彼女の指が、こんなに太いなんてって。


「ボルトみたいだね、でも好きだよこういうの」
「ごめん、あの携帯ストラップある? 」
「これ? 」


電源を切ったままの携帯を出すと、そこにはあのビリビリ事件の日に貰ったストラップが付いている。


敬介はそれを外し、人形の首の部分にはまっているボルトを外す。

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