※公開終了間近! イロモノなアタシ
敬介は毎日、ドラマの撮影や番組の収録で寝る間も無いほど忙しい。


そんなナーバスな状態の中に居る彼の笑い声が聞けて、正直に嬉しかった。


「明日も早いから、もう寝てね」
『やだよ、志穂と話したい』


くぅぅーっ、これだよ。


この場に居たら、間違いなく頭をグリグリなでてヨシヨシしてた。


「でも、体壊したらダメだし、オフが貰えても会えなくなるよ」
『分かった、お休みなさい』
「お休み、愛してる」
『志穂ー』


最後のあいさつが、また30分伸びた。


彼も頑張ってる、あたしも頑張らなきゃ。


もう寝ようと目を閉じたけれど、敬介の言葉や顔が浮かんで来て眠れない。


こんなに好きなのに、時間が無くて会えないのが切なくて。


今度会えるのは、年明けになってからだ。


暮れ正月は芸人の稼ぎ時だし、ドラマだって年またぎの放映で大変だ。


クリスマスも正月も一緒に過ごせないなんて、まるで愛人みたい。
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