※公開終了間近! イロモノなアタシ
そして迎えたクリスマスは、店のパーティー。


あたしはトナカイの着ぐるみを着せられ、ショーに出演したり、客席を回らされた。


暖房の効いた店内、着ぐるみの中は汗ぐっしょり。


彼は仕事、あたしも仕事だ。


いけない、こんな事思ったら。


「お疲れ様ー、シホちゃーん」


シャンパンのマグナムボトルを軽々と持ち、浮かれた口調で話しかけて来る蘭子さん。


「お疲れ様ですー」
「さー、二次会よ、さっさと行きましょう! 」
「えー」


汗かいて表に出たら、間違いなく風邪をひく。


真冬、デブは脂肪が保冷剤になり風邪をひきやすくなるのだ。


汗なんかかいて体温が下がってると、効果はテキメン。


その夜、二丁目のお祭り騒ぎに加わったあたしは案の定、風邪をひいた。
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