※公開終了間近! イロモノなアタシ
そんな綾女の様子にやられた司書の人が、司書室のパソコンを貸してくれた。


綾女はいつもこうして、誰かしらの助けが自然に入る女。


高校の頃だってそう、人気のパン「ふんわーりチョコロール」が売り切れていた時、例の『たいへーん、こまっちゃうー』と言うだけで、男子から山ほど「ふんわーりチョコロール」が届いたし、授業中に当てられても代わりに答えてくれる人間は数え切れないほど居た。


容姿はウチの売れっ子のクミさんよりも可愛いし、独特のピンク色のオーラが周囲に放たれているからだろう。


ようやく欠損した1枚分を打ち込み終えると、綾女は司書の人と楽しそうにコーヒーを飲んでいた。


「おいしーい、これーどうやっていれたんですかー? 」
「いつもはインスタントなんだけど豆をひいてから……」


あたしの分なんて、用意もされていない。


可愛い友達に、ブスなあたし。


当然、男の子達からの扱われ方も違う。


でも、綾女は憎めない性格だ。


だからいつだって一緒だったし、大学も同じ大学の同じ学部を選んだ位。


コピーを大学の外のコンビニで済ませ、綾女と一緒に四谷の街を歩く。


「ねー、お洋服見にいかなーい? 」
「うん」


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