※公開終了間近! イロモノなアタシ
「ねえ、初恋の人ってどんな人? 」


修学旅行の夜みたいだ、まるで。


「保育園で一緒だったトモ君かな、でもさ『しほはでぶっちょいだからやだ』って言われたよ」
「何それ、ひどいヤツ」
「でもさ、この間すれ違ったら、ぜんぜんカッコ悪くて」
「あるある、その時は素敵! って思っても、後から見るとNGな人」


クミさんの初恋の人について聞いてみたいけれど、でも辛い話になりそうだ。


そんな様子を察して、自分から話してくれる。


「私はね、小学生の時に同じクラスだった前川君。その時に、何で男なのに男を好きになったのかって、悩んだわ」
「皆同じなんですね、最初は悩んで」
「そうよー、それで中学生位の時に気づいちゃうのよね、自分がゲイだって」


二丁目ではこんな会話が毎晩繰り返されている、セクシュアリティに気づき自分が他の人間と違うのではないかと悩む。


そして、あの街にやって来て、本当の自分と同じ仲間を見つけるのだ。
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