※公開終了間近! イロモノなアタシ
翌日の昼、あたしは道頓堀にあるタコ焼きの名店で1人、焼きたてのおいしさを味わっていた。


三次面接は明日だが、事前に本社の様子を表からでもいいので、見学したかったからだ。


今日の晩ご飯は、何を食べに行こうかな。


フグもいいけど、お好み焼きも捨てがたい。


大阪で生活する事になったら、毎日、おいしい物を気兼ねなく食べられるかな……、いや、絶対にダメだ。


落ち着け、敬介は東京で活躍する芸人。


遠距離恋愛だけは絶対にダメ、米山はまだあきらめる様子すら無いし。


「なんやーお姉ちゃん、そないなトコで突っ立って。死にたいんか? 」
「は? 」
「道頓堀に飛び込むのは阪神が優勝した時だけやで、こないな寒い時に飛び込む位なら……」


道行くおじさんが、戎橋から道頓堀をながめるあたしを自殺志願者だと思ったらしく、ガンガン声をかけて来る。

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