※公開終了間近! イロモノなアタシ
「違います、考え事をしてただけで」
「なーんや、おもろないなー」


おもろないって、何なんだこのノリは。


確かに大阪に来てからというもの、この街が放つパワーにやられっぱなしだ。


電車に乗ろうにも列を作らず、ドアが開くと皆が一斉に乗り込むわ、エスカレーターは左側を開けなくちゃいけないわ、歩く人も何だかセカセカしている。


オバちゃん達のファッションと来たら、豹ガラは当然、何か全身ギラギラ。


まるでシャングリラの中に居るみたいで、誰かに会わないかと変に意識してしまった。


女の子達も、ブランド物に全身を包み、これでもかと街を歩いている。


この街に生まれた会社だけに、明日の面接も油断はならない。


また、何の芸を要求されるかわからない。


せめてネタだけは用意しておかなければと、ハギモト直営の劇場へと向かった。
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