※公開終了間近! イロモノなアタシ
「シホさん、お願いですから見逃して下さい」


真剣なレイ君、でも、あなたがクミさんにした事を許すわけには行かないんだ。


同性愛は否定しないけど、人間として何かが違うから。


元のサヤに戻れとは言わないけれど、あんなにクミさんを追い詰めて、手首まで切らせて、綾女と逃げるなんて許せない。


「悪いけど、あたしあの事を綾女に話していい? どうしても話さないと見逃すわけには行かないんだ」
「えっ……」


動揺するレイ君、だけどあたしは、全部伝えないと皆が不幸になると思った。


それだけは絶対に嫌だ、もう言ってしまおう。


綾女、ごめんね。


「あのね、綾女。レイ君はうちの店のクミさんと付き合ってた」
「知ってるよー」
「でもね、別れ方が良くなかったんだ」


クミさんがあの雪の日に何をしたのか、全て綾女に伝えようと口を開いた瞬間、レイ君が店を飛び出して行く。


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