※公開終了間近! イロモノなアタシ
帰りの新幹線の中で、一言も口をきかない状態が続いた。


確かに、あたしがした事は綾女に取って最低な行為かも知れない。


6年の空白を埋めようとした2人を、引き裂いたのだから。


「綾女、ごめん。でも、あたしは不幸になって欲しく無いから、レイ君を試したの」
「志穂ちゃんが、来なかったら……」


そうだね、憎んでいいよあたしを。


お邪魔虫だよね、だから親友なんて辞めてもいいし。


彼と一緒に逃がしてあげれば良かった、例え後がどうなろうと、あたしが口を出す事じゃなかったよね。


「綾女、行っていいよ」


到着した東京駅のホームで別れを告げ、1人歩き出す。

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