※公開終了間近! イロモノなアタシ
「ごめんね、いきなり泣いちゃって」
「平気だよ、俺。志穂が泣くのを見るのは2度目だし、何か新鮮」
「そっか」


涙も受け入れてくれる彼が居てくれてよかった、普通ならデブスの涙なんか見たくないって言われるよ。


「大好き」
「ようやく笑った、さ、ビール飲もう。そしたら、カラオケでもして」
「そうだね」


この夜、あたし達はずっとこのネットカフェで過ごした。


薄暗くて、静かで、でも2人で安心して過ごせる場所だから。


結局、敬介に涙の理由は説明しなかったけれど、彼は何もたずねなかった。


今は、時間が解決してくれたらと祈るしかない。

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