※公開終了間近! イロモノなアタシ
先輩からのアドバイス
あれから、綾女の姿を大学で見る事も無いまま、季節が変わろうとしている。


学校の並木道の桜の枝が薄紅色に見えていて、春の訪れを感じさせているけれど、もうこの道を一緒に肩を並べて歩く日も無いのだろう。


何度携帯を見る度に、連絡が無いか新着メールの確認ボタンを押すけれど……。


『志穂ちゃーん

 おはよー♪

 お昼どこで食べよ
 っか?     』


のメールは届かない。


本当なら、この大学で一番遅いけれどすごい内定を手にして、もっと浮かれていてもいいはずなのにな。


「大沢さん、最近、綾女ちゃんの姿見ないね」
「休学しちゃったの? 」


同じ講義を取ってる男子からも聞かれるけれど、


「色々大変みたいだよ」


と、適当にごまかすしか、あたしには出来なかった。


内定式も済ませ、さあこれから遊ぼう! 一緒に旅行もしようって……。
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