※公開終了間近! イロモノなアタシ
新宿二丁目、多分、日本の中では最大のゲイタウンだろう。


お父さんは、ここでゲイショーパプの『シャングリラ』を、長年経営している。


「ちょっとぉー、あそこの若い子いいわよね」
「そう? ホストっぽいけど」
「何、その言い方。もう二度とホストになんか貢がないわよ」


その言葉を何度聞いただろう、前回は20歳のコに80万のリシャールを10本も入れさせられた挙句に振られたのを思い出す。


「志穂も、早く彼氏が出来たらいいわね」
「ご心配ありがとうございます、ママ。そういう自分も早く彼氏を見つけて下さい」
「そうね、お金がからまない彼氏を早く作らないとね」


車を駐車場に停め、運転手の様にドアを開けて出迎える。


この街に来たら、親子ではなくママとホステスとして行動しなくてはいけないから。


「ありがとう」
「どういたしまして」


金色のヴェトンのカバンを持ち、お父さんの後ろに付いて歩く。


このまま『シャングリラ』に就職してしまおうかと思い、話しかけようとした矢先に、後ろから声が掛かった。
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