※公開終了間近! イロモノなアタシ
「約束したから来たけど、つまんなくてごめん」
「え? いいのいいの、ありがとうございます。今日も仕事だったんですか? 」
「そう、それでこんな時間になった」


今売り出し中となると、相当厳しいスケジュールではないのだろうか。


ましてや、新番組も控えているらしいし。


「大変ですねぇー、でも来てくれて嬉しかった」
「会えて嬉しかった、真島に聞いたけど、いきなり電話番号渡すのって反則らしいね」
「あー、でも、鳴瀬さんならオッケー! 」
「本当に? 」


可愛らしくうなづこうとした瞬間、あたしのお腹の中の虫が騒ぎ始める。


『グウゥゥー』


大きな音で。


聞かれたよこれは、間違いなく。


情けない、どうしてこう食欲というヤツはシチュエーションに関係なくわき起こるのだろうか。


「お腹、空いてるの? 」
「え、まあ……」
「お店、終ったら食事に行こう、俺もお腹空いてるし」
「本当に? 」


コクンと首をタテに振る、おいおい、アフターですか! 来店2回目で。

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