※公開終了間近! イロモノなアタシ
返す刀で、すぐに別の誘いを入れる綾女。


そう、行きつけのカフェの新メニューを食べに行きたいから。


「ねー志穂ちゃーん、今日ヒマなんでしょー? アルバイト無いならー」
「ヒマだけども、今日ばっかりはゴメン」


そんな時、不意に携帯が鳴り出す。


相手は鳴瀬さんだ、あわてて電話に出ると後ろからガタガタという音が聞えて来る。


『ごめん、今、忙しいかな? 』
「い、いえ平気です。あの……今日はお店を休んでますから、来ていただいても」
『時間あったら、少しだけ会いたいんだ』


少しだけ会いたい、まるで彼女に向けた言葉みたいだ。


うう、ますますカン違いを起こしてしまいそう。


「ありますよ、場所は? 」
『えーと、三軒茶屋の焼肉屋で、こみねって店なんだけど』
「分かりました、三軒茶屋のこみねですね。じゃあ、今から行きます」
『5時頃になると思うけどいいかな』


焼肉屋での食事なんて、深い関係を思わせる。


いいや、でもゲイなんだよ相手は、きっと。
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