※公開終了間近! イロモノなアタシ
となりに可愛い女の子が座っていれば、鳴瀬さんの本当の気持ちを確かめる事が出来そうだから。


普通に女の子が好きな男なら、誰だって綾女に目が行くはずだ。


鳴瀬さんがもしそうなら、ゲイ疑惑は見事解消するし、あたしを誘い出した真意が分かるだろう。


5時を回り、先にビールを2人で飲んでいると廊下から足音が聞える。


「ごめん、遅くなって」
「すみません、先にやってました」


席につくなり、相方の真島さんは綾女ばかり見てニコニコしていた。


「可愛いよねー、あ、俺知ってると思うけど『マージナル』の真島 幸弘。ユキって呼んでよー」
「あー、私はー青山 綾女って言いますー。東智大学の3年でー、志穂ちゃんとはー」


高校時代からの同級生と言いかけた彼女のひざを、テーブルの下でポンと叩く。


違うだろ、そこは!


気づいた綾女は、慌てて言い直す。


「志穂ちゃんとはー、えーと、お友達でー」
「へー、ねえ、携帯の番号教えてよー」


全く聞いてないし、まあ、典型的な女好き芸人だから仕方ない。

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