※公開終了間近! イロモノなアタシ
そう言い募る綾女を説得し、店長に出て行ってもらうと真島さんの目の色が変わる。


きっと、彼女の家がとんでもない金持ちだって事に気づいたからだろう。


「いつも来るの? ここに」
「うん、パパとねー」
「お父さんってどんな仕事してるの? 」
「読朝新聞のー役員ー」


真島さんはますます目の色を変えて、綾女を口説きに入る。


現金なものだけれど、仕方あるまい。


鳴瀬さんは、目の前で煙を上げている肉をつまみ、のんきに裏返していた。


「やりますよー、あたしが」
「いいから、ほら、こんなに大きいし」


確かに、300グラムはあろうかという大きな肉で、ハシでつかまえるのは難しい。


「ねえ、あの子とはどうやって友達になったの? 」
「お店のお客さんで……」
「へー」


綾女には興味すら無い様子で、ゲイ確定と思われる。


あたしはますます苦しい立場に立たされる事になった。


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