※公開終了間近! イロモノなアタシ
「不完全だからいいんだ、全部」
「は? 」
「例えばこのオーディオもそう、後で足した部品で音が変わるのが面白い」


CDを一枚取り出して、デッキに入れる。


流れ出したのは、あたしが好きなアーティストの曲。


「これ、好きなんです」
「へえー、俺も割りと好き」
「趣味、合いますね」


まずい、何だか彼氏の部屋に遊びに来た女の子状態になっている。


あたしの仕事は何だっけ? そう、デブゲイ。


見ろ、このお腹を。


座っただけなのに段が出来てるぞ、ああ、デニムがきつい。


「あのさ、体は手術とかしてるの? 」


いきなり何を聞きだすんだ、この人は。


「胸、さっき見えたから。ごめん」
「あー、あのー」


本当の事を言おうかどうしようか悩んでいると、となりに重みを感じた。


鳴瀬さんは横に座り、あたしの顔をまじまじと見る。


何だこの空気は、いけないぞ。


あたしの役割は……。

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