※公開終了間近! イロモノなアタシ
気を取り直そうとした瞬間、また鳴瀬さんが口を開く。


「もしかして、女の子? 」
「えーと、あの」
「声だって、低いけど女の子みたいだし、それに、体つきも」


困るな、そんな純真な目で見られても。


正直に言いたくなる、でも言ったらこの温かい空気が終るだろう。


「お……オカマです」
「違うよね? あの友達、ずっと付き合いがある子だってすぐに分かるよ。単なるお客さんじゃないでしょ? 」


ヘンにカンが鋭いんだなと思う間も無く、手を取られた。


まずいぞー、このムード。


「あ、あの、でも……」
「事情があってあの仕事をしてるの? 」
「父がママで、それで」


言っちゃったよ、これでオシマイだ。


「良かった、俺、男を好きになっちゃったのかって悩んだから」
「は? 」
「だってさ、ゲイショーパブの店員さんって事は、オカマって思ってたから」


いやいや、性別じゃなくて、その後に『好き』って単語が聞えた気がするんですけど。
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