※公開終了間近! イロモノなアタシ
部屋に入ると、お父さんはまだ帰って来ておらず、留守電のランプだけが光っていた。


再生ボタンを押すと業者からの連絡が入っていて、とりあえずメモに残してテーブルの上に置く。


ふと、就職先も決まっていないのを思い出し、部屋に入ると就職サイトを見る。


このまま『シャングリラ』に就職しよう、それしかない。


こんなブサイク、どこだって雇ってはくれないだろうし。


「あーあ……」


壁に掛けてある紺色のリクルートスーツが虚しく見えた。


もうこんなの着たくない、何十社も回ってOB訪問もして、その度に自分が傷つけられて行く気がする。



でも、あの店をそのまま継いでいいのかな?


いや、ダメだろう。きっとお父さんだって、ダメだって言う。


『女の子なんだから、好きな人と幸せになりなさい』とか、昔から言ってたしな。


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