※公開終了間近! イロモノなアタシ
あーダメ、もう限界。


好きだって言って、彼氏居ない歴21年に別れを告げたくなって来た。


「シホちゃん、大丈夫? 何かハァハァ言ってるけど」
「え、デブだからつい息切れして」


慣れないヒールに長距離の歩き、そしてこの体重。


まあ、別の意味でもハァハァ言ってはいるけれど。


いけない、こんな歩き程度で息切れしてたら。


「気にしないよ、大体、駐車場を見つけられなかった俺が悪いんだし」


何でそんなに優しいんですか、こんな女に。


道行く人も思わず振り返るほどのデブスなんですよ、あたしは。


鳴瀬さんも彼女居ない歴が長いからですか?


ようやく電子部品を売っているお店に到着すると、選び始めた鳴瀬さんをヨソに、周囲を見回す。


萌えの看板、そして行き交う男達にチラシを配るメイド。


皆、可愛くて足も細くて……。


その中で、ミニワンピから太い大根をハミ出させている自分が情けなくなる。

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