※公開終了間近! イロモノなアタシ
異変発生
デートのシメを邪魔された鳴瀬さんだったが、対して気にする風もない。


「赤坂って局の関係者が多いですよね、大丈夫ですか? 」
「平気だと思うよ、それにあの子の知ってるお店ならプライバシー対策だってしてあるだろうし」
「そうですよね、じゃあ、平気ですね」


でも、車から降りてまた手をつながれる。


こんなの写真週刊誌に撮られたらどうする積りなんだろうか、載るとしたら見出しは『マージナル 鳴瀬! ブス専疑惑』とかになるだろうけど大幅なイメージダウンにつながるのは間違いない。


「あの、手は離しましょうよ。見られたらシャレにならないし」
「平気だよ、気にしないし。あ、でもお店のお客さんにバレたら困るか」
「そうですよ、ね」


一瞬で手が離れると、胸の中がガラにも無くキュンとしてしまった。


甘酸っぱい気持ちなんて、味わったらいけないんだ。


「ねえ、さっきから気にしてたんだけど」
「は、はい? 」
「いつもと違う香水だね」


そうだ、今日蘭子さんが美容室を出る時に、自分の香水を拭き掛けまくってくれたから。
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