※公開終了間近! イロモノなアタシ
それは『コイツの部屋を見に来るついでに、となりの俺の部屋へおいでよー』という下心丸出しの言葉に聞えるが。


「じゃー理数系なんですねー、すごぉーい」
「そうでもないよ、いじるのが好きなだけだし」


あっさりスルー、やっぱり綾女には興味が無いんだ。


「お肉、出来ましたよー」


仲居さんみたいにしゃぶしゃぶを作り続け、皆のお皿に配る。


いつもそんな役目で、気にはしていなかったけれど、突然鳴瀬さんが箸を奪う。


「俺、やるから」
「え? 」
「シホちゃん食べなよ、さっきから作ってばっかりで」
「でも、そういうの好きなんですよ、だから大丈夫です」


何をそんなに気にしているんだろう、あんまり優しくしないで欲しいのに。


「いいから、食べてよ。肉が美味しいし」
「すみません」


女の子扱いされて、嬉しいけれど複雑だ。
< 99 / 386 >

この作品をシェア

pagetop