オンライン中毒
 もう一人の自分はいつから現れ始めたんだろう。睡眠薬を飲み始めた頃だったかしら?


こいつがいる限り、私は無敵なんだ。


元気「その言葉を聞いて安心したよ!

俺の携帯番号教えておくね。090ー○○○○ー○○○○メモをしておいて! すぐに準備しなくっちゃね! 明日楽しみに駅で待っているよ」 


ピュア「こんな日が早くも来るとは思わなかったわぁ。愛してる元気。名残惜しいけど、私も準備しなくっちゃ。また明日ね!」


元気「じゃあまた。落ちます」


 戦士のキャラクターがいなくなり、ヨーロッパの町並みには可愛い魔法使いだけが一人残されていた。画面からまだ眼が離せなかった。


明日には元気に会える。あれほど恋焦がれた元気に会える。


これは夢? 幻? 本当に現実なの? リアルでも魔法が使えたんじゃないのか?


元気と二人でテレビ画面に一緒に映り、ウエディングマーチのミュージックが掛かる。


そして一躍私も有名人。


……夢みたいだ。


お金にも一生困らない。子供もまた生めばいい。
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