オンライン中毒
 店内は水色の照明がほんのり浮かび上がり、暗がりの水槽みたいだった。


サラリーマンやOL、恋人達が多く、まるで黒い金魚のように見えた。


「お二人様ですか? こちらへどうぞ」


通されたのはカウンターだった。カウンター席はテーブル席より密着度が上がり、恋人達にとっては嬉しい席でもある。


「カウンターかぁ、狭くて御免ね?」


「全然気にしないよ! 座りましょう?」


辺りを見回すと、カウンターは恋人達で埋まっていた。


「あれ何かな、変わっているね」


隣に座っている、恋人達の料理に目線を投げた。
< 47 / 170 >

この作品をシェア

pagetop