オンライン中毒
掲示板事件
 鍵を差込み、玄関の扉を開ける。心が沈んでいるせいか、扉さえも、いつもより重く頑丈に感じられた。


夜中2時、既に家族は寝ているだろう。時間がどんなに遅くなろうとも、心は全然痛まなかった。


その胸の感覚で、ここに戻ってくるのはゲームの為だけなのかも知れないと、また深く刻み込まれた。


「遅かったな」


突然背後から声をかけられ驚いた。ヨレヨレっとしたパジャマを着た夫が立っていた。


チェック柄の模様が薄くなり、ただの棒線にしか見えなかった。久しぶりに見た夫は、少し痩せた気がした。


「貴方、起きていたの?」


「トイレに行こうと思って降りてきた所。ふあぁ~っ」
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