オンライン中毒
 大きなあくびを人に拭きかけ、トイレの扉へ消えて行った。遅くなった理由を聞かれると思ったが拍子抜けをした。


私は顔を洗いにお風呂場へ向かった。そうとも、そうだとも。この家では、私が帰ってこなかったとしても、全然興味がないのだろう。


お湯と水を丁度良い湯加減を手の平で確認し、メイククレンジングに手を伸ばした。


この家族は心配のしの字も、きっと出ないんだろう。そう思うと、イライラがさっきよりも増してきた。バシャバシャと怒りを沈めるように、顔にかけたが効果無しだった。


――そうだ。元気がまだゲームにいるかも知れない。覗いてみようかな。


そう頭に閃くと、居てもたってもいられず、タオルで乱暴に顔を拭き、部屋に向かった。
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