オンライン中毒
 そんな朝を向かえ、休みの日は気分がまだましな方だが、病院勤務と介護があるこの日は、より億劫で嫌な日だった。


汗臭さが充満した満員電車に揺られ、病院へ向かう。こんな日常に早くピリオドを打ちたい。通勤している時には、こんなことを必ず思い浮かべてしまう。


大丈夫。お金を貯めて離婚して、元気と一緒になれば、愛情も体一杯に充電され復活できる。


落ちてしまいそうな心に、歯止めを効かせるために思い直した。私の心の中は、毎日それの繰り返しだった。


今日は一段と病院内が混んでいる。忙しく、いつもよりもパソコンのキーボードが奏でるカタカタという音が、多めに聞こえる。


このキーボードを打つという行為は、私に取っては都合が良かった。この時だけは、キーを押すことに集中でき、嫌な考えを吹き飛ばし、無心にしてくれる。
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