オンライン中毒
 ――ただ、あの女さえ来なければの話だった。


もう少しで一段落つける、昼休みの時間だった。その時にあの女がまた現れた。毎日毎日現れ、木下に色目を使うあの女。


あの高松あみが来ると、容赦なく心に黒い影が射す。この女がいなければ、ここは最高の職場なのに、なぜあの女は嫌がらせのように毎日来るのだろう。


私の木下さんに色目を使っても無理。あの馬鹿女はなぜ気づかないのだろうか? 


根気良く、頭の悪い貴方に、わかりやすく言い返しているのに。


あんたに配慮してやっているのに、また木下に声を掛ける。


「木下さん! お昼一緒に食べましょう? お弁当作ってきたの」


あの高慢ちきな女は、なんて図々しいの。
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