最後の血肉晩餐
 桃とは俺たちと同じ高校の同級生。山村桃。れっきとした賢二の彼女。長年付き合ってきたから、体には飽きてきてるらしい。酷い奴だ。


「お前、葬儀で司会してんだろ? そのべしゃりで何人か番号聞き出せよ? 今からだと18時目安な」


「葬儀の司会とこれとは別だろっ……」


「いいから! いいから! 間違いなく癒されるって!

俺には負けるけど、お前カッコイイほうじゃん? 爽やかに見えるし、身長も176センチと高めだし、う~ん、松本潤系かな。

目がくりっとしてるしな。女がよく似ている芸能人は?って聞いてくるからそういえよ。落とせる! 間違いない!」


「お前に言われるとかなり嘘っぽいんですが……」


賢二はがっしり系。ラグビー部員にいそうな感じで身長170センチ。どうみても顔はお笑いのアンタッチャブルの山崎なんですが……。


アンタッチャブル山崎が落とせるなら俺もいけるかな? 淡い期待を抱いて雑居ビルにはいった。
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