最後の血肉晩餐
 あいつを観察していた。


すぐにでも人を殺してしまいそうな雰囲気で、牙を剥き出しそうな表情からも、そう読み取れた。足は貧乏ゆすりをし始め、相当イラついているようだった。


携帯にメールが転送された。


「美沙、あいつアドレス5000円で買ったよ」


私は勝ち誇った笑顔をした。あいつに勝った!


「やったじゃ~ん! で、それからどうするの?」


「これだけ待たされているわけだし、帰ってる最中ってことでメールをするよ。ぷぷぷぷっ」


「5000円でやっと買って、メール出来たのにぃ? お気の毒。

きゃははははっ!」
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