最後の血肉晩餐
 それからしばらく返事が来なくなった。MIMIもみたけれど、何も変わっていなかった。ちょっとだけ振られた気分になり、お昼の準備を開始した。


「食パンでも焼くか」


パンにバターを塗って、インスタントのコーヒーを準備し、テレビのスイッチを入れた。


ニュースが流れている。最近のニュースは残虐なものばかりが目立つ。


平気で両親を殺す息子、子供を餓死させる母親、保険金目当てで結婚詐欺殺人。


現実でこういうことが、本当に起こってるいるのか? あまり実感がわかなかったが、葬儀屋に就職し、死体をこの目でまじかに見てみると、リアルでこういう出来事が本当にあるんだなと実感した。


焼けたトーストをさくっと口に運ぶ。その瞬間、着信音がなった。食パンを口に銜えながらとっさに携帯を開いた。
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