最後の血肉晩餐
 彼女、三島恵美は29歳になってからの1年間、結婚を意識するようになり、せかすことが多くなった。


デートの度にそんな事ばかりを言われちゃ楽しいもんも楽しくない。必然的に、喧嘩が多くなった。


決して彼女のことは嫌いになったわけじゃなかったんだ。


ただ彼女の熱が帯びてくればくるほど、俺のテンションは下がっていくばかりだった。


いやおう無しに将来を考えさせられる恐怖。


仕事の永遠の歯車、育児、老後……頭の中で色々なものが回転している。
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