最後の血肉晩餐
 形の良い岩を仕入れては俺を呼び、新しいイソギンチャクを手に入れれば即電話を掛けてくる。いつでも気軽に俺を呼び出した。


一番感動したのは、プラネタリウムが家で楽しめる玩具を買ってきた賢二は、部屋を真っ暗にし、その装置だけをつけ、


二人で水槽を眺めながら、酒を飲み、雄大な星空と魚達が泳ぐ、癒される水の音を聞きながら、女について語り合ったこともあった。


その大切な賢二がなぜ?


なぜなんだ!


俺の唯一の親友がなぜ、こんな目に遭ったのだ?
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