最後の血肉晩餐
 その桃が弱っている。南の行方不明の事件のこともあるし、俺はいいよ。とすぐに引き受けた。


急いで電話を切り、待ち合わせをし、賢二の家に向かった。頭の中で警報機がカンカンカンと鳴り響いている。


「結局、俺の周りで何かが起こってるって訳なんだよな」


もし賢二にまで何かあったとしたら、その事実をやっと受け入れられるような気がした。でもそんな事は遭ってはならない。


「なにも無いと良いけど……病気だとしても、メールくらい入れられるもんね……?」


桃が玄関で賢二の合鍵を使い、バタンッと扉を開けた。
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