最後の血肉晩餐
「賢二いるのぉ?」


玄関で桃は大きな声で名前を呼び、入り込んだ。


真っ暗な部屋ですぐに異常を感じた。


魚の生臭いきつい悪臭と、目にツンとくるなにかの異臭。脳みその警報機は更にガンガンガンっと大きくなった。


「桃、様子がおかしいぞ! 変な臭いがする! ちょっと待て!」


桃は俺の警報機を無視し、臭いのする魚達の部屋の扉を開けた。


「ヒィィィィィ!!!!」


驚いた桃は、扉の前でゆっくりとヘタリ込んだ。声にもならないような、かすれた声を出し、真夏なのにブルブルと震えだしていた。
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