最後の血肉晩餐
 後藤先輩はもう1件、別な案件を抱えてるので今日は来ていない。1人でこなせるなんて俺も早く見習いたい。


葬儀屋は人数が少なくても給料は良い。1件1件の葬儀の金額が高額だからだ。俺でも月40万は貰えている。


それだけあって葬儀屋は体力勝負。金と過酷、裏表の世界だ。


猛スピードで祭壇を目指し、駆け抜ける中、横目でうちの会社、聖葬儀社と提携している花屋の木戸優香をちら見した。


彼女が花を生けていると、暗い雰囲気にのまれそうな俺にストップをかけてくれる。
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