最後の血肉晩餐
大型の滑車から吊るされるロープと、一メートル四方の踏み台が見えた。開閉式なんだろうか? 横の壁面には、三つのボタンが付いた装置も見える。
その景色を確認したのも一瞬だった。目隠しが巻かれ、両手首には重い手錠と両足はロープで拘束された。目隠しされる事によって、線香の匂いがきつく鼻腔を突いた。
続いて、前後左右に気配を感じた。多分刑務官が4人で私の体を引き摺っているのだろう。
動きが止まり、前後左右の体温が消え、隙間風が吹いた。同時に喉元にロープの感触が冷たく伝わる。
「三島恵美。遺言はございますか?」
「……ありません。なんだかんだありましたが幸せでした。あの人の元へ参ります」
恐怖に打ち勝つ為に、あの人の笑顔を脳裏に浮かべようとした。願いは叶わず、どうしても思い出せない。
刑務官が手を上げ、合図が出される。3人の手により、死のボタンは押された。
シスターの不気味な高笑いが神経中枢を刺激し、底が見えない闇へと重い体が急落下した。
その景色を確認したのも一瞬だった。目隠しが巻かれ、両手首には重い手錠と両足はロープで拘束された。目隠しされる事によって、線香の匂いがきつく鼻腔を突いた。
続いて、前後左右に気配を感じた。多分刑務官が4人で私の体を引き摺っているのだろう。
動きが止まり、前後左右の体温が消え、隙間風が吹いた。同時に喉元にロープの感触が冷たく伝わる。
「三島恵美。遺言はございますか?」
「……ありません。なんだかんだありましたが幸せでした。あの人の元へ参ります」
恐怖に打ち勝つ為に、あの人の笑顔を脳裏に浮かべようとした。願いは叶わず、どうしても思い出せない。
刑務官が手を上げ、合図が出される。3人の手により、死のボタンは押された。
シスターの不気味な高笑いが神経中枢を刺激し、底が見えない闇へと重い体が急落下した。