私は最強ビンボー女!
ごくりっ・・・

男がつばを飲み込む音がした。


「あ、敦は・・・我が主人、葵(アオイ)様の屋敷におります・・・。海様を助けに参ったようでございます。なので、戦っているでしょう。葵様の手下と。」


「葵?その人は、母とどのような関係だ?」


男は諦めたみたい。

淡々と答える。


「海様の、お母様です。」


「・・・・・母の母親?つまりは私の祖母にあたる人か。」




・・・・・・・・・ん?

でも、なんで"助ける"?


「祖母は、母に何かしたのか?」


「何か?いえ、これといったことは。しかし、海様を監禁しております。」


「監禁?なぜ・・・・・母親ではないのか?」


「母親です。ですが・・・いえ、母親だからこそ。」



母親だからこそ?

娘を監禁?



「おかしい・・・・・」


「当然なんです。海様は一度、家出しているのですから。」


「家出・・・・・?」


聞いた時・・・・・・・・・・



「お前っ!何、話してる!!!裏切り者かっ!!!!!」


男の、叫び声が聞こえた。



< 155 / 836 >

この作品をシェア

pagetop