私は最強ビンボー女!
「青菜。」


葉月が、平坦な声で私を呼ぶ。




「今の青菜みたいに、情が移ったら、殺せないよ。
殺せなくなっちゃうよ。

・・・・・・情なんて、無い方がいいよ。」






―――そういうことか。


葉月のため息の意味は、そういうことだったのか。





でも、そんなのは、余計な心配だ。





「葉月、あのさ、1つ言うけど、私は人を殺さないよ?」


「朝霧家の跡取りが人を殺さないなど、許されるはずがない。」


「だから何?葉月、私のことずっと監視してたんなら、聞いてたでしょ?

私は朝霧家をぐちゃぐちゃにする気なんだよ。


だから、許されないとかは関係ない。」


「・・・・・赤髪を安心させるための嘘ではなかったということか。」


「そういうこと。だから、情が移ろうが何だろうが、関係ないよ。

葉月の心配は余計な心配。無駄なものだよ。」



私は葉月に、ニッコリと微笑んでみせた。












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