私は最強ビンボー女!
「葵様、ぶち壊しにかかってくると分かっていらっしゃるんでしたら、放置しておくのはマズイんじゃありませんか?」


「マズイ?まさか。」




彼女は意味深な笑みを浮かべる。




「逆じゃろう?ソコは。

"好都合"じゃないか。」






その言葉に、ハッと目を見開いた。






「葵様っ・・・・・まさか!?」


「フッ。分かっておるじゃないか。そう。その"まさか"よ。」


「なっ・・・・・・・どういうことか、分かっておられるんですよね?」


「勿論。じゃが、他の方法など無いじゃろう?やるしかない。」


「そ、んなっ・・・」


「そもそも、あたしの代で終わらせるべきものなんじゃ。

それは、海が逃げた時にすでに分かっておった。


これ以上――犠牲者を出して、どうする?」





凛とした声音。

真っ直ぐな瞳。



あぁ、この人は、決めてしまったのか―――・・・・・。






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