私は最強ビンボー女!
日岡さんは、変わらず笑顔のまま、からかうように言う。


「めずらしいね?葉月が俺の事見てくれるなんてさ。」


「話を、逸らさないでください。」



葉月は拳を作り、グッと握り締める。


真っ直ぐに日岡さんを睨みながら、葉月は口を開く。



「私は・・・・・・信用できないって事ですか?」


先に目を逸らしたのは、日岡さんの方だった。


日岡さんは、スッと目を逸らし、静かに首を振る。



「違うよ、葉月。そんな事じゃない。」


「じゃあ!!!」

「葵さんの意思だ。」




紡がれた言葉に、葉月は目を見開いた。


そして、唇を噛み締め、泣きそうな顔になる。



「葵様は・・・・・私のことを、信用してないんですか?

私は、捨てられるんですか?」


あまりにか細い声で、弱々しげに呟く葉月。



日岡さんは、ため息をついた。


「違う。葉月、そんな事なわけないだろう?

葵さんは葉月を信用している。捨てようなんて、露ほども思ってないはずだ。


これは、葵さんの意思だけど、葉月が信用できないからじゃない。

むしろ――その逆。」






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