私は最強ビンボー女!
「大切なモノがハッキリしてんなら、

びしっと守れ!


余計な物抱え込む必要なんて、ないんだから。

危ないのは、私じゃないんだから。」



そう言い、私はスッとその場を去った。


驚きで目を丸くしている下っ端くんを残して。






だって、このままいたら、言っちゃいそうだったから。



"ナァちゃんは、標的になってるよ。

あんたは、ナァちゃんをよく見て、守れ。"って。




でも、そんなこと、言っちゃいけないから。



さっきから、葉月と日岡さんの視線が、痛いもん。


そんなこと言ったら、あの2人に何されるか。

考えただけでも恐ろしい。





でも――



よかった。


毒牙を大切だって、真っ直ぐにハッキリ言える人がいて。



きっと、私や葉月や日岡さんが裏切っても、

毒牙は、きっと大丈夫だ。








私は、温かいモノが心の中をじんわりと満たしたのを、感じた。






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