私は最強ビンボー女!
だって、関わらせてはいけないって、ちゃんと分かってるから。



「なんもないよ?ただちょっと、勉強ヤバイなーって思って頑張ってるだけ。」


嘘と、本当が混じった言葉。


なんもないわけじゃない。

勉強はヤバイ。

頑張ってる・・・けど、それは、勉強のことじゃない。


でも、女子高生としては、いいんじゃないかな?

恋愛っていう選択肢もあったけど、それじゃあ、全部嘘になっちゃうもん。


だって私、恋なんてしてないし。





「勉強かー。やっぱ、授業中の居眠りがたたってんじゃねぇの?」


「・・・・・・ごもっとも。」


「おいおい。じゃあ、早く帰らねぇと。」


「・・・帰らない。」


「は?」



健一さんが鋭い視線を私に向ける。


私は怯むことなく、その視線を冷静に受け止めた。

"鋭い視線"は"ニセモノの笑顔"より、断然、気持ちがいい。



健一さんはため息をついて言った。


「あのなぁ・・・

一応言っとくが、緋月ちゃんのことは、お前には無関係なんだからな?」


私は、その言葉に、薄い笑みを浮かべた。

普通、そうだよねって思いながら。




< 412 / 836 >

この作品をシェア

pagetop