私は最強ビンボー女!
フードを取れば・・・黒髪がこぼれ出てくる。


ハッと、緋月ちゃんの息を呑む声が、かすかに聞こえた。



私は緋月ちゃんを真っ直ぐに見て、ニッと笑いかけた。


「やっと緋月ちゃんに名乗れるね♪

私、倉本青菜っていう女子高生なんだ!よろしくね?」



緋月ちゃんは、なぜかぼぅっと私を見ていて。


ハッと我に返ると、慌ててペコンと頭を下げた。



「は、はい!よろしくお願いしますっ!」



緋月ちゃん・・・・・・


「あのさ、敬語、やめない?」


「え?あ、でも・・・・・・」


「私高校1年生なんだけど、緋月ちゃんもでしょ?」


「はい、そうですけど・・・なんでっ・・・・・・」


不思議そうに私を見る緋月ちゃん。


私はもう、気付いてる。



緋月ちゃんの黒い瞳の中の――"翳り"に。





私は軽く息を吸い込むと、言った。


「私が、緋月ちゃんの双子の姉の葉月と、同級生だからだよ。」



緋月ちゃんの瞳が、パッと開かれる。

健一さんも、私を凝視した。





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