私は最強ビンボー女!
「そのまんま。

僕、緋月ちゃんなんて知らないから。」


「おいっ!」


まだ認めてなかったの!?



「嘘言うな!」


「・・・・・・・・・嘘じゃない。」


「何、その間!」


私がそう指摘すれば、葉月はガタンと席を立った。


「嘘じゃ、ない!!!嘘なんかじゃないっ!!!」


怒鳴るような声だった。


大きな声で、まるで・・・泣き出しそうな顔で、葉月はそう言った。

こんなに必死な葉月を見たのは、初めて。



私は驚きながらも、葉月を真っ直ぐに見つめた。


「嘘だ。葉月の嘘つき。

ただの他人なら、葉月がそんなに必死になんてなるわけないだろ。」


葉月はぐっと詰まった。


私は葉月の瞳を、見つめ続ける。



「葉月らしくないよ。墓穴ほるなんて、さ。」


「・・・・・・・・・ハァ。認めるよ。」


葉月はガタンとイスに座りなおした。


「僕は小野緋月を知っている。」


葉月は、キッパリと言った。





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