私は最強ビンボー女!

朝霧家到着




日岡さんの運転する車は、ぐんぐん進む。


流れるように、滑るように動く車。

きっと、日岡さんの運転は上手いんだろうと思う。



そしてだね。

後部座席からの葉月の視線が痛い。


監視は未だに続いているらしい。





――それにしても。



「ナァちゃんの暗殺・・・随分、いきなりじゃないですか?」


運転している日岡さんの横顔に訪ねれば、薄い笑みが返ってきた。



「そうでもない。青菜が知らないだけで、準備は着々と進んでいた。」


「へぇ。そうだったんだ。」




さて。


じゃあ私はどうしようか。



いや、それより先に聞いておこうか。

そもそも、を。


「なんで、ナァちゃんなんですか?」


「ん?」


「なんで、ナァちゃんが殺されなきゃいけないですか?」


真っ直ぐに、日岡さんの横顔を見つめた。





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