私は最強ビンボー女!
――藤原。
その名を知らない人などいないっていうほど、大きな由緒正しき財閥。
いたるところに、その名は出てくる。
その、御曹司さんだったなんて・・・
「僕、跡継ぎなんです。」
「跡継ぎぃ!?」
せ、世界が違う・・・
生活費をなんとかやりくりしてるビンボー人とは、世界が違う・・・
「す、すごいな・・・」
「全然ですよ。僕、へなちょこですし。
それに・・・」
儚げな笑みを浮かべる子犬クン。
・・・?
一体、何を抱えてるの?・・・――
「"御曹司"や"跡継ぎ"としてしか見てもらえないことを、嫌だと思ってます・・・。」
――え?
「ダメなのか?」